障害を持つ方が社会参加しながら自立した生活を目指すうえで、「就労継続支援A型・B型」は重要な制度です。しかし、A型とB型の違いが分かりにくいという声も多くあります。この記事では、両者の違いや選び方のポイントを分かりやすく解説します。
就労継続支援とは？
まずは、就労継続支援の基本について理解しておきましょう。
就労継続支援とは
就労継続支援とは、障害や病気のある方が一般企業での就職が難しい場合でも、働きながらスキルを身につけたり、社会経験を積んだりできる福祉サービスの一つです。支援にはA型とB型の2種類があります。
A型とB型の大きな違い
A型は「雇用契約あり」、B型は「雇用契約なし」という点が最大の違いです。A型では最低賃金以上の給与が支払われますが、B型は作業内容に応じた工賃が支払われます。
A型の特徴とメリット
A型は、より就労に近い環境で働きたい人に向いています。雇用契約を結び、労働法に基づいた働き方ができるのがポイントです。
対象となる人
・一般企業での就職が困難だが、雇用契約のもとで働く力がある
・就労経験があり、一定の作業能力がある
・週20時間程度の勤務が可能
A型のメリット
・最低賃金以上の給与が保証されている
・社会保険に加入できる場合がある
・定期的な勤務で生活リズムが整いやすい
・就労支援員のサポートが受けられる
このように、A型は安定した収入を得ながらスキルアップを目指すことができる支援です。
B型の特徴とメリット
一方、B型は自分のペースで無理なく働ける支援制度です。就労経験や体調に不安がある方におすすめです。
対象となる人
・体力や精神的に長時間の勤務が難しい
・就労経験がほとんどない、またはブランクが長い
・医師の診断などにより、A型では困難と判断された
B型のメリット
・雇用契約がないため柔軟な働き方ができる
・1日数時間、週数日の勤務など自分に合ったスケジュールが可能
・体調や状況に応じて作業内容を調整できる
・人との関わりや生活リズムの安定に役立つ
工賃は数千円〜数万円とさまざまですが、少しずつ社会との接点を持つ大切なステップになります。
どちらを選ぶべきか
A型とB型は、それぞれメリットが異なるため、自分の状態や目標に合わせて選ぶことが重要です。以下のような基準で考えると選びやすくなります。
A型に向いている人
・将来的に一般就労を目指したい
・ある程度の体力・スキルがある
・収入面で安定を求めたい
B型に向いている人
・まずは生活リズムや体調の安定を優先したい
・社会との関わりを少しずつ増やしたい
・ゆっくりとしたペースで働きたい
また、施設によって雰囲気や支援内容も異なるため、見学や相談を通じて自分に合った事業所を選ぶことも大切です。
まとめ
「就労継続支援A型とB型の違い」は、雇用契約の有無や働き方の自由度に大きな差があります。A型はより就職に近い環境で、B型は個人の状況に合わせた柔軟な支援が受けられるのが特徴です。自分の体調や将来の目標に合わせて、無理なく続けられる選択をすることが大切です。まずは相談窓口や支援施設で気軽に話を聞いてみましょう。